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しばやんの日々

潜水艦によるキスカ島守備隊撤収が途中で中止された理由…『キスカ戦記』を読む5

前回の記事で書いた通り5月20日にキスカ守備隊の撤退が決定し、翌日に陸海軍中央協定で、キスカ島の撤収につき次のように定められたという。「鳴神(キスカ)島守備隊は成るべく速やかに主として潜水艦に依り逐次撤収に努む。尚海霧の状況、敵情等を見極めたる上状況により輸送船、駆逐艦を併用することあり。」そしてこの撤収作戦は「ケ号」作戦と名付けられたという。『キスカ戦記』の解説にはこう記されている。文中の幌筵(ほろむ...

キスカ島を目前にして撤収部隊は北千島に引き返していった……『キスカ戦記』を読む6

前回の記事で、潜水艦によるキスカ守備隊の撤退は効率が悪い上に3隻もの貴重な潜水艦を失ってしまったため、水上艦艇による一挙撤収に方針が変更されることとなったのだが、この作戦が成功するためには、キスカ島周辺に視界がゼロに近い濃霧が発生することと、艦隊にレーダー装備が必要であったことを書いた。『キスカ戦記』の解説にはこう記されている。文中の「電探」とは、「電波探信儀」の略語で、「レーダー」のことである。...

キスカ守備隊員の手記による奇跡の完全無血撤退作戦成功……『キスカ戦記』を読む7

前回の記事で、キスカ島守備隊の兵士たちは7月11日から14日まで4回もキスカ湾に集結して撤収部隊の到着を待ったのだが、一度もその艦影を見ないままに作戦の一時中止が伝えられ、艦隊は燃料補給の為に反転して北千島に帰っていったことを書いた。撤収部隊がキスカ島に接近していながらキスカ湾への突入を断念したのは、途中で霧が晴れたために空襲に遭う危険性が高まったことがその理由だが、もし霧が深かったとしても、霧を見通す...