「ドイツと日本を暴走させよ」と命じたスターリンの意図
国会図書館所蔵の興亜院政務部・コミンテルン関係一括資料の中に、入手経路が不明なるが故に怪文書とされているものがある。偽書なのか本物なのかは今となっては判断できないのだろうが、そこに書かれていることは極めて重大なことである。 入手ルートは秘匿されても、国会図書館に所蔵されていることは、当時としては信頼できる筋から入手したものなのだろう。そこに書かれているのは、昭和10年(1935)の第7回コミンテルン大会にお...
「大東亜共栄圏」の思想が広められた背景を考える
昭和前期の「日本史」を学んだ際に、資源の乏しいわが国がアメリカにより経済封鎖されながら、「大東亜共栄圏」とか「東亜諸民族の解放」というスローガンを掲げて、植民地となっていたアジア諸国を解放するために戦おうとしたことにずっと違和感を覚えていた。資源のないわが国には、他国の為に貴重な資源と富を費やして戦うほどの余裕があるはずがないと考えていたからだ。いつの時代でもどこの国でも、戦争を始めるには国民を納...
『軍国主義者』や『青年将校』は『右翼』だったのか
前回まで、わが国が連合軍に占領されていた時期から朝鮮戦争までの歴史を追ってみた。ウィロビー回想録の文章を引用しながら当時の雑誌などの記事をいくつか紹介してきたが、これらを読んでいくと、今までわが国の教科書やマスコミなどで広められてきた現代史の知識はかなり一面的なもので、一番重要なソ連の関与には全く言及していないことに気づくことになる。以前このブログで1928年のコミンテルン第6回大会で採択された決議内...