第一次大戦以降、中国の排日運動を背後から操ったのはどこの国だったのか~~その1
最近出版された西尾幹二氏の『GHQ焚書図書開封7』(徳間書店)を読んでいる。このシリーズは、戦後占領軍によって焚書処分された本の解説をしているものだが、「GHQ焚書図書」については少しだけ説明が必要だ。GHQ(占領軍)が昭和20年9月から占領期間中に、わが国の新聞、雑誌、映画、ラジオの放送内容、あらゆる出版物や一部私信までも「検閲」をしていたことは良く知られているが、それとは別に、当時本屋の書棚や図書館などに並べ...
米英が仕掛けた中国の排日運動はそれからどうなったのか~~中国排日その2
前回の記事で西尾幹二氏の『GHQ焚書図書開封7』に解説されている、長野朗氏の『支那三十年』という本の一部を紹介した。この当時長野氏は北京の中国人の家に下宿しておられて、中国の排日運動をつぶさに見てこられたのだが、この著書の中で、中国の排日運動は、当初アメリカやイギリスが、対中貿易拡大のために日本企業が築き上げた中国市場における商圏を奪い取る目的で、中国人を煽動しはじめたということを、かなり具体的に書い...
中国の排日が我が国を激しく挑発するに至った経緯~~中国排日3
前回まで、長野朗氏の『支那三十年』というGHQ焚書処分された書物の内容の一部を紹介してきた。 長野氏はこの著書で、中国の排日は中国大陸で最大の交易国であった日本の商圏を奪い取る目的で英米が最初に「排日思想」を中国人に植え付けたものであり、事実アメリカは日本を追い落として中国の最大の交易国となり目的を達したことや、その後中国では二十年もの間行われてきた「排日教育」が徐々に中国人に浸透して民族主義と結びつ...
中国全土に及んだ「排日」がいかに広められ、誰が利用したのか~~中国排日4
前回の記事で昭和11年(1936)の8~9月ごろになって、抗日テロが至る所に起こった経緯について書かれた長野朗氏の『民族戦』の文章を紹介した。今回はその続きである。 長野氏の著書によると、この年の11月に起こった『綏遠問題』によって、中国の抗日運動がピークに達したのだという。この『綏遠問題』とは何か。 長野氏の文章と西尾氏の解説を参考にまとめることにする。 「綏遠」というのは内蒙古にある省の名前で、そこに徳王と...
カリフォルニア州の排日運動が、日露戦争後に急拡大した背景を考える~~米国排日1
昭和21年の3月から4月にかけて、当時の松平慶民宮内大臣・木下道雄侍従次長らが、戦争に至った遠因・近因、経過および終戦の事情について、昭和天皇から5回にわたって聞き書きをした貴重な記録がある。その冒頭は昭和天皇の次のようなお言葉となっている。「大東亜戦争の遠因この原因を尋ねれば、遠く第一次世界大戦后の平和条約の内容に伏在してゐる。日本の主張した人種平等案は列国の容認する処とならず、黄白の差別感は依然存...
日露戦争後のアメリカにおける日本人差別の実態~~米国排日2
アメリカの排日は、日露戦争後にアメリカのマスコミが人種差別を国民に煽って急激に広がっていったことを前回の記事で縷々述べてきたが、日露戦争時にはアメリカはわが国では親日国だと見做されていたはずだ。なぜアメリカが、日露戦争後にわが国に対する方針を変えることになったのだろうか。前回紹介した西尾幹二氏の『GHQ焚書図書開封6』に高木陸郎氏の「米国の支那進出運動とその将来」という論文がある。ここにはこう書かれて...
中国兵が綴った「日中戦争」の体験記を読めば、『南京大虐殺』の真実が見えてくる
西尾幹二氏の『GHQ焚書図書開封3』に、中国兵の陳登元氏が自らの戦争体験を綴った『敗走千里』という本の解説がある。この本はGHQによって焚書処分にされてしまったために、戦後はほとんど日本人の目に触れる事がなかったのだが、最近になってこの解説を読んで、中国の戦争の仕方が日本人の戦争の常識とは随分かけはなれたものであることを知って、驚いてしまった。 今回は『敗走千里』の文章や西尾氏の解説を引用しながら、中国軍...