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しばやんの日々

正式な手続きなしで「東京遷都」が強行された背景を考える

京都に生まれ育ったこともあって、京都御所の一般公開には何度か行った。 京都御所は毎年春と秋の2回一般公開が行われ、紫宸殿や清涼殿などが公開されるのだが、公開日数がそれぞれ5日程度と短く、期間中は大勢の観光客が訪れる。上の画像は3年前の春に公開の時に撮った紫宸殿だが、この建物の中央の奥に天皇が即位される儀式で天皇の御座(ぎょざ)として用いられる「高御座(たかみくら)」の一部が見える。この時は「現在の高御座...

東京遷都のあとの京都の衰退にどうやって歯止めをかけたか

前回の記事で、明治2年(1869)の「東京遷都」の際に「遷都の詔勅」が出ておらず、東京を首都とする法令も政令も出ていないことを書いた。 明治政府は京都市民らを騙して東京移転することを強行したのだが、「遷都の詔勅」が出せなかったほど京都市民らによる反対が大きかったということだろう。明治政府がそこまでして「遷都」を強行したことを、どう評価すればよいのだろうか。 前回の記事で紹介した故大石慎三郎氏の『日本の遷都...

幕府瓦解後に進行した江戸の荒廃と、政府転覆を目論む勢力の拡大を食い止めた東京遷都

以前このブログで、明治2年(1869)に『遷都の詔勅』が出されないまま「東京遷都」が強行されたことについて、京都を中心に書いた。教科書では東京遷都について、「人心を一新するため、同年(1869)9月、年号を明治とあらため、天皇一代のあいだ一年号とする一世一元の制をたてた。同年7月、江戸は東京とあらためられ、明治天皇が京都から東京に移ったのをはじめ、翌年には政府の諸機関も東京に移された。」(『もういちど読む 山川日...