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しばやんの日々

三井寺の国宝・重要文化財観賞の後、非公開の寺・安養寺を訪ねて

大津市歴史博物館の企画展を楽しんだ後、すぐ近くにある円満院を訪れた。円満院は寛和3年(987)に村上天皇の皇子である悟円法親王によって創建され、以来皇族が入寺する門跡寺院となり、戦前までは三井寺(園城寺[おんじょうじ])三門跡の1つであったのだが、戦後になって三井寺から独立したのだそうだ。安土桃山時代の建築物である宸殿(しんでん)は、明正天皇の御殿を下賜されて正保4年(1647)に御所からここに移築されたもので、国の...

軍部が情報を握りつぶした「昭和東南海地震」

真珠湾の奇襲攻撃に成功してからほぼ3年が経過した昭和19年(1944)12月7日午後1時36分に、M7.9の巨大地震が起っている。地震の震源は和歌山県新宮市付近で、断層の破壊は北東方向に進んで浜名湖付近まで達したという。内閣府『防災情報のページ』にはこう記されている。「…海洋プレートの沈み込みに伴い発生したマグニチュード7.9の地震で、授業・勤務時間帯に重なったこともあり、学校や軍需工場等を中心に死者1,223人の被害が発生...

浄瑠璃寺から岩船寺へ~~秋深まる当尾の里の名刹と石仏を訪ねて

毎年紅葉の季節になると、古い寺や神社を巡りたくなる。あまり有名すぎる観光地は人が多すぎて風情を感じることが少ないので避けて、なるべく歴史的風土が良く残されていそうな場所を選んで旅程を組むのだが、今回は京都府の木津川市にある古社寺を巡る旅程を立てて、先日行ってきた。最初に訪れたのは木津川市の東南部にある加茂町の浄瑠璃寺(0774-76-2390)である。京都府とはいっても、奈良県との県境に近い当尾(とおの)の里に位...

海住山寺から神童寺、蟹満寺を訪ねて

前回に引き続き、京都府木津川市にある国宝や重要文化財のある社寺等を巡る旅行記を続けよう。前回の記事で、天平12年(740)の藤原広嗣の乱の後、聖武天皇が平城京から恭仁宮(くにのみや)に遷都し、その際に木津川市加茂町の森八幡宮に宇佐八幡を勧請したことを書いたが、その森八幡宮からJR加茂駅の西口を通り、恭仁大橋を渡って岡崎バス停前の道を左折して600mほど直進すると、『山城国分寺跡』と彫られた石碑がある。しかし近く...

洛北の紅葉の名所を訪ねて~~実相院から圓通寺へ

ここ数年、紅葉の季節になると古い寺や神社を訪ねたくなる。いつもなら人や車の多い場所を避ける主義なのだが、学生時代に何度か訪れた思い出の場所を急に訪ねたくなって、近隣の寺社とともに巡る旅程を立てて、先日京都市の岩倉から修学院の古刹などを訪ねてきた。最初に訪ねたのは岩倉にある実相院(075-781-5464)である。この寺の障壁画が気に入って、高校時代から大学時代にかけて何度か訪れた寺なのだが、当時の観光客はわずか...